2019年9月27日金曜日

完成犬


今年も、秋の訪れとともに再び展覧会シーズンがめぐって来ました。
ただし、羊蹄柴道場は、「羊蹄乃多笑」号が出産直後ということで、今シーズンは出陳犬がおらず、見学、勉強専門です。


そうして先日訪れた「北海道支部展覧会」において、「完成犬」の誕生という素晴らしい瞬間を、目の当たりにすることができました。

「天道竜」号(三沢市良荘)

展覧会の仕組みや賞制については、これまでも書かせていただいていますが、「完成犬」とは、日本犬保存会の展覧会において計6回の「本部賞」を受賞した犬のことです。

<1審>個体審査

「本部賞」は、その日の展覧会で成犬賞、壮犬賞を受賞した犬たちの中から、特に最も素晴らしい犬が選ばれるもので、展覧会ごとの本部賞本数は、出陳頭数によって決まります。

<2審>比較審査
 
たとえば、今回の北海道支部展では、出陳頭数が64頭でしたので、本部賞の本数は2本。
その1本ずつを、小型雄の成犬、壮犬の計22頭、小型雌の成犬、壮犬の計12頭が、それぞれ争うことになります。つまり、この日、本部賞を受賞できる確率は、雄で1/22、雌で1/12。

頭数がそろう成犬雄の比較審査は圧巻の眺め

出陳頭数が多くなれば、本部賞の本数も増えます(80頭まで2本、120頭まで4本、150頭まで5本・・・)が、それだけ競う相手も増えますので、本部賞を受賞できる確率は、常に数%の正に狭き門。

上位(〇で囲んだ5頭)抽出後
 
それが、本部賞を6回も受賞するということは、たとえば確率1/20×1/20×1/20×1/20×1/20×1/20 すなわち 1/20の6乗=1/6400万! という天文学的に低い確率。 
まさに困難を極める偉業と言わざるを得ません。

<結審>
 手前から成犬雄1席、2席、3席、4席、5席
 
幸運にも、その達成の瞬間を目の前で見ることができ、本当に感動しました。

「完成犬」ともなれば、その後の戦いの場は全国展のみとなり、支部展や連合展へは他の選手のお手本となる参考犬として登場するだけになります。つまりは、もうなかなかお目にかかることはできません。

<3審>
壮犬雄1席との本部賞争い
 
今回、見事に完成犬となった「天道竜」号と作出者でありハンドラーでもある三沢市良荘、種市さんについては、雑誌「Shi-Ba(シーバ)」でも紹介されていたので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、自らが作出した犬を自ら引いて、本部賞をとることは、柴犬の繁殖に携わる者にとって、理想であり夢であり、最高の目標です。
 
<結審>
左:本部賞雄「天道竜」号(三沢市良荘)
右:本部賞雌「紅毬子」号(備前桜山荘)
 
羊蹄柴道場としても、いつかきっと本部賞争いのリンクに立ちたい。
KJがその思いを改めて強くした、北海道展でした。

来たるべき日にそなえて自主トレに励む、子犬たち


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