2018年7月13日金曜日

打瀬船を見に。ホッカイシマエビを食べに。


昔、仕事の関係で調べたことがあって、一度は見て見たかった、尾岱沼(オダイトウ)の打瀬船(ウタセブネ)。
「野付半島と打瀬船」として「北海道遺産」にも選ばれています。

(北海道遺産協議会HPより)
 
しかし1年に2回、夏は1か月程度、秋は2週間程度のホッカイシマエビ漁の期間中、天気の良い時しか出漁しないため、なかなか見る機会には恵まれませんでした。

(北海道遺産協議会HPより)
 
ですが今回、えびまつりに合わせて、ついに行って来ました。
KJの仕事の都合上、留寿都から尾岱沼まで往復950kmの日帰り旅になります。
 
 
打瀬船は陸上からでも見えますが、それだととても小さいので、尾岱沼とトドワラを結んで野付湾内を航行する観光船に乗って見るのが良いようです。
 
 
ホッカイシマエビ漁は、朝5:00に出漁し昼前には帰港してしまうので、朝1便=8:30の観光船に乗るのがオススメ。といったことを、別海町観光協会のHPや電話でも聞いて調べて、北の道ナビでは尾岱沼までの所要時間は8時間。

 
途中で休憩したり、仮眠も取りたいので、夜中の10:30に留寿都を出発しました。
出発早々、爆睡する犬たちをしり目に、ひたすら東を目指します。
 

向かって左から、ヨネ→ゲン→タワラ(クレートの中)
 
ちょうど夜明けの時間帯となった阿寒横断道路では、雄阿寒岳、雌阿寒岳やペンケトー、パンケトーの美しい姿だけでなく、道路わきや、時には道路上を我が物顔に闊歩する多数のシカの姿に驚かされたり。
 
 
午前3:40
 
まだキャンパーたちも寝静まった道の駅、摩周温泉では足湯を楽しんだり、多笑(タワラ)の立ち込み練習をしたりと、ちょっとずつ寄り道もしながら、余裕で7:30には尾岱沼に到着しました。
 
午前4:00
 
 
朝1便のレインボー号には、十数人が乗船。
トドワラの船着場(桟橋)まで約30分間のクルージングで、操業中の打瀬船を探すことになります。
 
 
この日はお祭りに備えてか、既にほとんどの船が帰港してしまった後でしたが、1枚だけ帆を張って作業をする、数隻の船を見ることが出来ました。
 
 
3枚帆を満帆に掲げた船を想像していたので、ちょっとイメージが違いましたが、それでも何とも美しいですよね。
 
 
こうして打瀬船を使うのは、ホッカイシマエビが暮らすアマモ(海草)をスクリューで傷つけないため。こうしてていねいに漁獲された尾岱沼のホッカイシマエビは、高いブランド価値を持って取引されています。
 
 
資源保護のため、漁獲期間と漁獲量は厳しく管理され、持続的な漁業を可能にしていることが、野付湾湿原のワイズユース(賢明な利用)としても評価されているそうです。
 
 
完全に帆をたたんでいる船や、そもそもマストが無い船もありました。
帆をたたんでいるのは、網上げの作業中、帆が無い船は、アサリ獲りの船のようです。

 
実は尾岱沼はアサリも名物で、トドワラの船着場(桟橋)付近でも、砂浜をちょっと掘ったらアサリがゴロゴロ。(ただし、持ち帰ることはできません。潮干狩りのクルーズはまた別になっています)


 
観光船からは、往復とも遠くにアザラシ(↓画像をクリックして拡大してください。目鼻がなんとなく見えるでしょうか)を見ることもでき、良く管理された野付湾の自然を洋上から満喫することができました。(前回、陸上から野付半島を楽しんだ様子は、2015年9月5日の記事で)
 
 
さて、念願の打瀬船を見ることができた後は、やはりエビです(笑)
お祭りは午後からなのですが、直売所は朝1番の観光船がもどってくる頃には既に営業を開始。

 
まさに漁期中の産地でしか食べることができない、生きたホッカイシマエビの踊り食いを楽しんだり。(でも正直、ホッカイシマエビのお刺身はイマイチかな・・・)

 
こちらもちょっと早めに12:00からスタートしたフードコートに手分けして並んで、ホッカイシマエビのミニ天丼、串焼きもしっかりゲットしました。
天丼は相変わらず、ヒゲまで美味しく絶品。串焼きは・・・ふつうでしたが。

 
でもね、ホッカイシマエビの一番はやっぱり茹でエビです。
漁獲後すぐに浜で茹で上げ、一度も冷凍していない尾岱沼のホッカイシマエビは、この時期、この場所まで来ないと手に入らないと言っても過言ではありません。

 
もちろんネットでも、浜茹で後に急速冷凍したものが流通していて、十分に美味しいわけですが、でもしかし、一度も冷凍していないものは明らかに味が違います。
濃い赤、濃い味、歯ごたえ。そう、まさに、赤いダイヤ。
 
 
本当はもう一日中でもお祭り会場にいて、エビとビールにつかっていたい尾岱沼でしたが、帰路も450キロ以上ありますから、そうも言ってはいられません。
 
 
歌謡ショーを見ることかなわず、お祭りのオープニングより前に(笑)、後ろ髪を引かれる思いで、野付湾を後にしました。
 
 
今回、尾岱沼の直前でシッコタイムのために立ち寄った公園で、これまでまったく遊べなかったヨネとタワラが思いがけずいっしょに歩いてワンプロを始めるという、嬉しい余禄も付いて来ました。
 
午前7:00
 
喧嘩ではありません。遊んでます。
 
文字通り、水入り(笑)
 
これまで見たことの無かった、カモの集団子育ての様子も見れて。
 
 
往復950キロ、23時間、0泊2日の旅はハードだったけど、ホッカイシマエビはものすごく美味しかったし、ヨネとタワラは仲良くなれたし、頑張る値は予想以上に十分ありました。
できれば来年も行きたいな!
 
このうち、KJが運転した距離、850キロ(笑)
 
ホッカイシマエビの今漁期は7月19日までです。
みなさまも、是非。