2018年3月23日金曜日

玄冬の門

 
最近の玄ですが、一日のうちで、寝ている時間がずいぶん長くなりました。
 
 
それも何というか、非常に不思議な場所や格好で寝ています。こんな所(マッサージチェアの足もみの部分)で昔は寝なかったよ。
 
 
こんなふうに頭を抱えて?鼻を抱えて?寝ることもなかったのに、どうしたのかな・・・?
 
 
古代中国の思想では、「青春」の反対を「玄冬」と呼んで、四季を表わす、青春→朱夏→白秋→玄冬、の呼び名がそれぞれ、人生の時期にも当てはめられるそうです。
 
 
寝ている時、ちょっとやそっとの物音では起きなくなったり、KJにぴったりくっついて寝るようになったのは、玄冬の門をくぐったせいなのでしょうが、夜中に悲鳴を上げたり(おそらくは寝返り?)、ストーブの前で寝ている時に家人が背中を触るとキャンと鳴くこと等もあったので、念のために病院に行きました。
 
 
結果、明らかなヘルニア等はありませんでしたが、老犬にはしばしばあるという、腰椎腹側にブリッジ状の変形が見られ、しばらくビタミン剤と鎮痛剤の投与、サプリメントと休養が指示されました。未去勢の♂ということで心配された、前立腺の異常等はありませんでした。

 
玄冬つまりは老年期。9歳で老化は早い気がしますが、長年にわたる、シカ猟の影響は少なくないでしょう。一日中冬山を歩いて急な斜面を上り下り、深い雪をラッセルしたり、倒木や小河川を飛び越えたりの過酷な労働は、人間でも腰や膝が痛くなりますから、この小さな体への負担は計り知れません。
 
 
玄も米(ヨネ)もシカ猟の後は車にもどると倒れこむようにして寝てしまいますが、人間とちがって温泉でその疲れを癒すわけにもいきません。
 
 
かくして1月末から強制休養となった玄ちゃん。しかし一方で、オオカミにもっとも近い犬と言われる柴犬、玄にとって、群れのリーダーでもある親方とともに獲物を追いつめ、倒す喜びを分かち合う、シカ猟ほど精神的に満足の得られる行為は他にありません。いつも一緒だった自分を置いて、KJとヨネが出猟していくので、心中おだやかではありません。
 
 
だけどこの先、また一緒に山を歩くためには必要な治療なのだよ。分かってね。
 
 
 
娘のヨネと暮らすようになって、気持ちのほうは若返ったのか、昔遊んだぬいぐるみを持って来たり、再びシカ角や梨の木をかじって遊ぶようにもなりました。「玄冬の門」(ベスト新書)を著した五木寛之さんは、体が老いていくということは、子どもの心に還ることだと説きます。子どもに還り、やがて誕生したところに還る。嘆くなと。
 
 
だけどやっぱり、玄には少しでも長く、隣にいてほしいし一緒に歩いてほしいと思うのです。
だからしっかり休養しましょう。
 
 
車に飛び乗れなくなったら歩み板を渡せば良いし、倒木が自力で越えられなくなったらKJが抱いて越えれば良い。そのようにして、年に1回でも2回でも、シカのいる山に連れて行ってあげたいと思います。
 
玄 4か月
 
玄はチームKJの大事な一員ですから。そして何より、家族ですから。
 
 玄 4か月
 
 









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