2018年11月20日火曜日

展覧会を振り返る。(その1)


先週末、全国展への挑戦をされたみなさんには、お疲れ様でした。

「シェ・ドゥドゥ」夜は完全予約制です。
 
今年は全国展には行かず、先日、ワンコのいるニセコ(正確には蘭越町になります)のレストランで、早々と反省会を行った私たちです。

シェ・ドゥドゥ看板犬の「シド」

思い起こせば、8月、真夏の秋田で支部展会場の下見から始まった、今年の展覧会(平成30年度日本犬保存会秋期展覧会)への挑戦でした。


初戦は、9月、素人の私たちが、全く思いもかけずに優良1席・若犬賞・全道最高賞をいただくことができた北海道支部展。(小型メス若1組、9頭出陳中の1位)


ナビを頼りに会場に着いて、車を停める場所、審査開始前の犬の馴致や運動、出番を待つ間の管理の仕方も分からないままに突入し、周囲のベテランのみなさんを見よう見まねで。なのに、どうしてか多笑(タワラ)は自然に立ってくれて、一番先に呼ばれて。


そうして順に並べられ、最高賞という結果が出ても、審査員の先生への質問の仕方も分からず、タワラがどうして勝てたのか、私たち自身が分からないという。


「審査され、呼ばれる緊張だけがあり、周囲は見えないし、何がなんだかまったく何も分からないままに終わった」とKJ。

シェ・ドゥドゥ「道産サンマの白ワインマリネ」

それでも、タワラがどうやら展覧会で通用する素材であると知り、やおら、ホーマックから自転車を買って来てのトレーニングが始まります。


立ち込みの練習も、土の上、舗装の上、芝生の上と条件を変えながら、雨の日も風の日も毎日毎日。


シェ・ドゥドゥ「自家製のシャルキュトリ各種」

そうして10月、夏にわざわざ下見をしてきた場所でもあるし、北海道での好成績もあり、正直、相当な期待感を持って、秋田支部展に参戦しました。


ところが・・・。
 
向かって左から2人目がメス担当の中川審査員、3人目が斉藤支部長

ここへ来て、タワラが全く立たないという異常事態が発生します。
タワラがリンクの外へ逃げよう逃げようとするため、KJはそれを防ぐために引き綱を強く引っ張る。タワラは喉が絞まってゲヘッゲヘッとえづく。さらには、会場アナウンスの声にビビッて暴れる。引き綱をかける位置を変えてみても輪をゆるめても、1審の間中ゲヘゲヘオエッが続きました。


そんな犬は他に1頭もいません。審査の時間がものすごく長く感じ、周囲のギャラリーからも、可哀そうにという視線を感じて、いたたまれなくなります。
こんなこと、練習では一度も無かったのに。北海道支部展と同じようにやっているのにどうしたことか。


補助員の方からも綱を引っ張りすぎだと言われたけれど、ゆるめたら逃げちゃうんだよ。と、手の打ちようがありません。泣きそうになったとKJ。
1審が終わった時点で最下位を予感し、もう棄権しようかとの話も出ましたが、でもやっぱりそれは良くないよ。最下位から1席でも2席でも上げることを目標に、最後まで審査を受けようと。

シェ・ドゥドゥ「寿都産真鱈のポワレ、スープドポアソンのソース」

そして次の出番までの間に、立て直す努力をしました。今さらながらでしたが、他の組の審査の様子をリンクの外から見せたり、人と犬とで賑やかな会場をじっくり歩いたり、ぐるぐると走ったり。
そういえば、加我さんは早朝、会場に着くなり、連れてきた犬たちと時間をかけて走っていたなと。私たちは車をリンクから遠い静かなほうに置き、タワラを大事にしまったままにしておいたけど、本当は審査の前にそういう馴致、準備が必要だったのかと。


結果、2審では、ずいぶん状態が良くなったようにも見えましたが(実際にはまだ逃げようとしていたそうです)、審査員の先生はタワラの前を数秒で通り過ぎ、タワラが第1グループ(上位争い)に呼ばれることはありませんでした。


秋田支部展では、小型メス若1組、10頭出陳で3席までが入賞のところ、タワラは6席で入賞を逃しました。それでも、1審の最悪の状態からよく盛り返したと思いました。


この日は、自組の審査が終わった後に審査員に講評を聞きに行く出陳者が何人かいて、KJもそれにならって話を聞くことができました。「色は良い」だけど・・・ということで、「握りが弱い」「尾の巻きがゆるい」「音を気にしていた」「審査は1審で8割が決まるからね」などなど。

 
たくさん厳しい評価をいただきましたが、とても勉強になりました。
つまりは、犬そのものが悪いわけではなく、人間の鍛え方が悪くて、運動が足りず筋肉がしっかりとできていない、社会経験が不足しており騒音や人ごみに慣れていない。
 
 
KJ曰く、「北海道展の成績が良かったので、慢心があったかもしれない」「考えて見たら、北海道展の後はほとんど遠くに出かけることもしなかった」
 
シェ・ドゥドゥ「ラムのトマトソース煮、クスクス添え」(メニュー名失念(汗))
いつの間にかKJに抱っこされるシド(笑)
 
あんなに練習したのにどうして立ってくれないんだっ!?という、どこかタワラを責める気持ちから、
次第に、やるべきことをやってあげられなかった、申し訳ないことをしたなあ、という気持ちに変わります。
 
左から、秋田支部展小型メス若1組の1席、2席、3席
 
この日の本部賞争いでは、東北のすご腕ハンドラーと称される宮古さんの黒玉嵐と、かねてからネット上で拝見し気になっていた三沢市良荘の天道竜、北海道支部・加藤支部長の紅豊と、そして私たちの師匠、加我さんの加我の州との戦いを見ることができました。
 
一番右手前から加我の州、黒玉嵐、天道竜、紅豊
 
そして、展覧会と言い、犬を審査するとは言うけれど、やはりこれは人間による犬の見せ方の勝負でもあり、普段からの管理と調教、当日の準備とハンドリング、いざ異常事態という時の緊急対応まで、人間の努力と力量が問われる場であって、人と犬が文字どおり一体にならなければ勝てないということが良く分かりました。当然かもしれませんが、これは展示ではなく、競技だし試合だということです。
 


 
来る時と違い意気消沈しながらも、そんなことを話しつつ、会場を後にしました。指摘された欠点はすべて鍛錬によって改善できるもの。しかし、次となる東北連合会(北海道東北ブロック)展は一週間後に迫っており、これからタワラを鍛えなおして間に合うのかどうか。再び秋田のように、ゲヘゲヘなるのでは、展覧会にイヤな記憶を残すだけ。そもそも支部の集まりで頭数も増える連合展では勝ち目も無いし、行っても仕方がないのではないか。
 
秋田よ、また来年!
 
KJは悩ましかったと思います。
それでもあの独特の雰囲気や緊張感は、実際の展覧会でしか経験を積むことができないし、支部展以上に良い犬、上手なハンドリングがたくさん見られるはずの連合展には行ったほうが良い。何より秋田の結果では不完全燃焼すぎて、私たち自身が納得して今シーズンを終れない。
 



シェ・ドゥドゥ「余市産あかね(りんご)のタルト」

そうして私たちは、連合展への参加を決めました。

つづきます。







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