キジバトは、季節に合わせて日本国内を南北に渡って移動していく、漂鳥です。
北海道では夏鳥になります。見えるでしょうか?この時期、本州から北海道へと北上してやって来て、春耕が始まったばかりの畑にいます。
羽根の模様や首の横にある青い縞模様が、キジに似ていることからキジバトと呼ばれる、地味ですが美しい鳥なのですが、農家にとっては蒔いたばかりの種や、生えてきたばかりの芽を食べてしまう害鳥。
最近は大根畑の被害がひどいということで、村からは、特に重点的に駆除してほしいと要請されているのです。
ですが実は、小さくて目立たない、そして飛ぶのが早いキジバトの駆除は、けっこう大変です。
しかも、野鳥の調理は、火かげんや味付けなどがとても難しくて、素人にはなかなか美味しく食べられないことも、駆除が進まない一因なのではないかと考えていますが、今回、札幌の有名イタリアンレストラン(サグラ)のシェフ(村井さん)にお願いをして、駆除したシカともども、実に美味しくいただくことができました。
ハトは、ハト骨でだしを取ったスープで炊いたリゾットに。
胸肉のローストと、ソースとして内臓のペーストを乗せて。
ハンターの処理が良いからとも言っていただきましたが、通常、養鹿などでは敬遠される大きな雄ジカの肉であっても、名シェフの手にかかれば、何の臭みもクセもなく柔らかで、アイヌ民族が胃薬にしたというキハダの実との独創的な組み合わせもバッチリでした。
奥は、子ジカの心臓をスモーク&ローストしたものを岩塩でいただく。
手前は大きな雄ジカのロースに、キハダの実を使ったオリジナルなソースを合わせて。
まだハウスものでしたが、道産のアスパラをなんとシャコなどの海産物と合わせたり、ネボッケと3種のじゃがいもとのコラボなど、意表をつく、そして目にも楽しい、さらにはもちろんスーパー美味しい、地産地消のお食事会でした。
パスタを作る小麦、デザートのアイスクリームに使う卵や牛乳はもとより、イチゴも北海道産です。
写真はありませんが、ワインもすべて道産ワインで、春とはいえ、畑にまだほとんど物も無いこの時期に、道産だけでこれだけの素晴らしいディナーができるとは、生産者として、ハンターとして、なんだかとても嬉しくなってしまいました。
食料自給率200%の北海道。
山麓でも外国からの観光客が増えたり、じきに新幹線が来たり。そんな時、北海道へのお客様は、やっぱり北海道の食材でおもてなししたいですもんね。
この日の札幌は女子会で、お留守番だったKJと玄ちゃん。
シカをとるのもハトをとるのも、二人ワンにしっかり手伝ってもらったんだから、感謝しないとね。ありがとう、ごちそうさまでした!
イタリアン・マフィアを気取って?
いえいえ、くわえているのは葉巻ではなく手羽先です(笑)
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