羊蹄山にはまだ雪が残っていますが、畑は春耕まっさかりです。
麦とビートと遠方にマルチ。
既に青々とした麦畑。(秋まきコムギ)
植え付けが終わったばかりのビート畑。
マルチがはられた畑には早出しの馬鈴薯が植えられています。
マルチによる被覆で地温を上げて、早く芽を出させる早出しの馬鈴薯栽培は、農家さんにとってキロ当たり10~15円ほど手取りが良いそう。
今年の春は好天続きで、畑の作業も例年になく早いスピードで順調に進んでいます。
しかし山の雪がとけ、畑に作物が植わり、枯れ草ばかりだった牧草地も緑が濃くなって勢いを取り戻してくると、それらを狙って山からやって来るのがエゾシカ軍団です。
この時期、山の中にはまだ食べられる草が少なく、厳しい冬を乗り切ってお腹をすかせたシカたちは、畑に出てきて、春掘りの作物や植え付けたばかりの作物に加害します。
直接、作物を食べてしまう害の他にも、はったばかりのマルチ、植えたばかりの作物を踏み荒らして行く害も大きくて、見過ごすわけにはいきません。
今年は春が早かった分、シカが出てくるのも早かったですね。
連休前から、毎朝夕の巡回、駆除がつづきました。
毎朝、4時起きでシカを駆除、解体処理して、6時からは畑仕事です。
夕方は畑が5時に終わると引き続き、また巡回です。
毎日毎日・・・
北海道でエゾシカが一番多く駆除されるのが、春先の4~6月。
春駆除が本格化するこの時期、全道各地でハンターもですが、同行する犬たちの疲労もハンパないことでしょう。頭が下がります。
でもねえ、毎日の早起き、駆除は本当に重労働で辛いけれども、巡回先から望む早朝の羊蹄山の美しい姿、そして美しい農村風景は実に眼福ですね。
毎日毎日、ああ本当にきれいだねえと、玄に話しかけながらの巡回です。
春駆除の期間ももう少し。羊蹄山からパワーをもらって、もうしばらく頑張ろうね。
ところで、牛と違ってシカの角は、骨ではなく皮膚が盛り上がってできているものなので、毎年、生え変わります。
毎年、春に抜け落ちては、すぐまた新たに生えて、秋までに伸びてきます。
なので、今の時期、このように、みなさんが良く知っている状態の固い角を持った個体と。
まだ若いオス鹿なので、1尖(枝分かれが無い)
なぜか片側の角だけ既に枝分かれしている個体(2尖)
このように、固い角が抜け落ちた後に生えてきたばかりの、こぶのようで柔らかい「袋角」を持っている個体の2種類が混在していて興味深いものです。
秋までには立派な4段角(4尖)になるだろう大きな大人のオス鹿
「袋角」は漢方薬(鹿茸)にもなるということで、とても価値のあるものらしいです。
ただしこれは、ほとんどが血の塊りなので、私たち素人には簡単に採取、加工できるものではないんですね。(持ち帰りに挑戦した人がいますが、すぐに腐ってしまったそうです。)
一攫千金ならず? 残念だな~。
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