展覧会への犬の輸送は空輸が主流だそうですが、米(ヨネ)は飛行機に乗ったことがないので、今回は慣れている車での移動を選択しました。運転する人間のほうが大変ですが、犬第一です。
留寿都から函館まで高速道路も使って走り(3h)、函館~青森間はフェリー(4h)。そして、青森から和歌山までは、なんと全線高速道路です。車中での仮眠時間を含めてほぼ丸一日(23h)。
本州最北の津軽サービスエリア(SA)で「交通安全リンゴ」をいただいて、出発。犬のためにも人のためにも200~300キロごとに休憩しながら進みましたが、本州のSAの施設はとても充実していて助かりました。
たいていのSAには24時間営業のコンビニとガソリンスタンドがあり、ところどころにはドッグランもありました。高速道路から一度も下りずとも、特に困ることはありませんでした。
仮眠した足柄SAには、24時間営業のファストフード店と温泉までもついていました。それと、どこのSAにもきちんとゴミ箱が設置されていて、車中での飲食も多くなる犬づれ旅にはとてもありがたかったです。(また、和歌山ではどのコンビニも、外にゴミ箱が置いてありこれまた助かりました。)
和歌山といえば、パンダをはじめ熊野古道に高野山、南紀白浜、那智勝浦と見どころたくさんなのですが、到着するまで予想以上に時間がかかったことや(当初は青森から和歌山まで運転を交代しながら寝ずに走るつもりでしたが、さすがに無理でした。)、あくまで展覧会の参加が目的なので、到着後には、会場の下見をしたり、想定外の荒天に対応するべく長靴を買いに走ったりで忙しかったことから、観光らしい観光はできませんでした。
展覧会場のマリーナシティは、和歌山と言ってもうんと大阪寄りで、関西国際空港からは1時間弱の距離。1泊5日の陸路の強行軍を試してみて、次回からはやっぱり飛行機だ!というのが今回の結論だったりします(笑)
それでも何とか、和歌山城だけは見学。玄、ヨネにとって、お城は初体験です。まあ、犬には何のことやら分からなかったでしょうけれど、紀州犬の里でしばし江戸時代の犬たちに思いを馳せます。
泊まりは、なんと万葉の時代から!景勝地として有名だったという和歌の浦でしたので、夕方、朝の散歩で雑賀崎灯台とカゴバ台場跡だけは見てきました。(番所庭園は有料だったのでパス)
宿には柴犬を連れて展覧会に来た人たちが他にもいて、「全国展ですか?」と声をかけられました。札幌ナンバーの車を見て驚かれましたよ。道中、北海道の車に会うことは皆無でした。
双子島荘
昔の一大観光地も、今は相当さびれた感じですが、実は絶景の宝庫として日本遺産に選定されたばかりの和歌の浦です。パンフレットを見ると、海辺に沿って漁港や東照宮、天満宮などの見どころをぐるっと回る遊歩道も整備されているようで、漁港には朝市も立つようだし、観光でゆっくりと来ることができれば楽しい場所だと思います。
雑賀崎灯台
犬づれにはちょっと注意しなければならないこと㊙もありますので、実際に行かれる方は、散歩の前に宿にじゅうぶん確認をしてください。けど、古来、歌人たちのあこがれの地だったというだけあって、北海道では見られない、本当に美しい景色ですよね。
カゴバ台場跡(玄の背後に見えているのが番所庭園)
さて、和歌の浦に泊まった理由は、そもそも他に空きが無かった(汗)ためでもありますが、温泉があることと、クエ料理を食べられることがあります。二日間、車に乗りっぱなしで固まった体に温泉は有り難かった~。そしてクエ。幻の高級魚と呼ばれるものですが、丸ごと1匹でこの値段です。さすがにお土産にはできませんでした・・・。
車中泊の犬たちと留守番の家族には申し訳ないけれど、クエ鍋のフルコースということで、紀州南高梅の梅酒で乾杯した後、クエの珍味(内臓)、皮の酢の物、薄づくり(刺身)、煮つけ、握り(お寿司)、塩焼き、天ぷら、そしてクエ鍋&〆の雑炊をいただきました。
同宿の全国展組は、犬を展覧会場の支部テントに置いてきた人たちもいて、夜も遅くに到着し、朝もたぶん朝食前に早々と発って行きました。KJチームはのんびりしすぎかなあ・・・。でも、せっかく和歌山まで来たんだから、観光は無理でもせめてご当地グルメぐらいはね、と。
煮つけも天ぷらも非常に美味し。そして鍋の王様というだけあって、やっぱり鍋が一番美味しかったです。特にカマ、アラ、骨まわり、皮の下のプルプルが・・・なんとも、そう、甘いんです。贅沢しちゃいましたけど、食べて良かった~と。
〆の雑炊は、宿の人の手伝いを断って、KJがオレん家流でつくりました。ありきたりの表現になってしまいますが、うま味たっぷりの濃厚なクエ出汁、がからんで、これまたなんとも美味しかったです。鍋の王様の称号に納得しながら、箸をおきました。
今回、行動範囲が宿と展覧会場にほぼ限定された旅でしたが、会場がマリーナシティだったことも幸いし、黒潮市場でマグロにシラス、また、和歌山市内で和歌山ラーメンも食べることができました。自由時間の短さから考えて、上出来だったと思います。
黒潮市場では、シラス丼と、(写真には写っていませんが)マグロコーナーで解体ショーから即食べることができる、大海屋の本マグロ握りが美味しかったです。でも、マグロは大間で食べたほうが美味しかったように思います。飲食コーナーのほうのマグロ丼、マグロの串カツは、正直、オススメできません・・・。
実はシラスやマグロ以上に美味しかったのが、さすがに和歌山、紀州南高梅の梅干しと醤油(和歌山が発祥の地だそうです)でして(笑)梅干しはさっそくお土産に買って帰りましたし、あの醤油はどこの何という醤油だったのか、マリーナシティに電話するなどして現在調査中です。
和歌山ラーメンを全国区にしたと言われる有名店、井出商店にて、とんこつ醤油系の細麺中華そば。カウンターに早寿司(サバの押寿司)、太巻き、ゆで卵がドンドンと積んであるのも和歌山流だそうです。うん。有名店だけあって、ハズレの無いお味。お土産ラーメンも買ってしまいました。
最後に北海道では見ることのできない、ミカン畑と古墳(!)を急ぎ足で見て、もちろんお土産にミカンも山盛り買って、再び高速道路で一気に青森をめざす、帰路につきました。
犬たちは、行きも帰りも道中、良く食べ良く遊び良く眠り、超長距離の長時間移動でしたが、予想以上にダメージは少ないようでした・・・その分、人間は疲れましたが・・・。
クエにマグロ、シラス、和歌山ラーメン、梅干し、ミカン。北海道からはすごく遠いし、たぶん道民にはあまり馴染の無い地方ですが、ほんの数時間の自由時間でも、和歌山には美味しいものがたくさんありました。玄も知らない場所を歩いて見たことのない景色を見て、ヨネも、イヤなこともあったけど初めての体験がたくさんできて、良かったと思います。
残念なことに南国らしからぬ寒さと雨で、会場ではあまり他県の人と話す機会もありませんでしたが、全国の柴プロが一堂に会する機会。今思えば、もっといろいろ聞きたかったですね。
全国展の開催地は、来年は青梅市のようです。来年どうなるかは分からないけれど、またいつか、KJチームで行けると良いね。
全国展関係の写真は、KJのインスタもご覧ください。